スタッドレスタイヤのメーカーは数あれど、購入するとしたら国産一流メーカーのヨコハマタイヤかブリジストンタイヤを当店ではおすすめしています。
その理由は?
キーポイントは
「摩擦係数の経時劣化」
という部分です。
ヨコハマタイヤ、ブリジストンタイヤどちらのスタッドレスタイヤが良いのか?
を説明する前に、スタッドレスタイヤ選びをする際に知っておいてほしい事があります。
そもそもスタッドレスタイヤがなぜ止まるのか?
摩擦係数の経時劣化とは?
とこの2点です。
まずはこの2つの事について説明していきます。
上記のⅢで説明しているように、スタッドレスタイヤは氷表面の水膜を除去し、その柔軟性で路面にグリップして止まります。
イメージとしては、
革靴と草鞋
ですね。
固く柔軟性の無い革靴で氷の上に立つと滑りますよね。
逆に柔軟性もあり水分を吸収する草鞋は氷の上で非常に滑りにくくなっています。
スタッドレスタイヤに必要なのは
「水の除去性能」
と
「柔軟性」
ということになります。
当社がヨコハマタイヤやブリジストンタイヤのスタッドレスタイヤを薦めるのは、この2メーカーは経年劣化が非常に少ないという事がポイントです。
通常は、ゴムですから年数が経つごとに、固くなり柔軟性が無くなっていきます。
輪ゴムなども年数が経つと固くなって伸びなくなりますよね。
タイヤもゴムですから年数が経つと固くなり柔軟性が無くなります。
スタッドレスタイヤの場合は、柔軟性が無くなると、水膜の除去が出来なくなり溝が合っても滑るようになり、
硬いノーマルタイヤと同じような状態になってしまいます。
ですから、ヨコハマタイヤやブリヂストンタイヤではタイヤのゴムの中に様々な化学物質を入れたり
タイヤの製造時に形状など工夫をこらして4年後も新品時とほとんど性能が落ちないスタッドレスタイヤを
販売しているのです。
スタッドレスタイヤの販売時に、
「ブリジストンやヨコハマタイヤとも氷上性能は殆ど変わりませんよ」
なんてセールストークでスタッドレスタイヤを販売している場合もありますが、
このセールストークでは確かに新品時の氷上性能に大きな違いは無いんでしょう。
ですが、
「1年後、2年後の氷上性能では大きな違いが出てくる」
という隠された事実があるという事は知っておいて良いと思います。
写真は、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの氷上でのブレーキ性能の比較になりますが、
スタッドレスタイヤが年数が経ち劣化してきて固く柔軟性が無くなってくると
溝があってもだんだんとノーマルタイヤと同じような氷上性能になっていきます。
スタッドレスタイヤを数年間性能を維持して永く使うにはどうすれば良いのか?
①氷上性能の劣化が少ないメーカーのスタッドレスタイヤを買う。
②劣化しないように保管をする。
の2点が非常に重要なのです。
ですから、ヨコハマタイヤや、ブリジストンタイヤのように
しっかりとメーカーが4年後の氷上性能に自信を持った説明をしているメーカーを当社では薦めています。
どんなに良いスタッドレスタイヤを購入いただいても、保管の仕方が悪ければ数年で氷上性能は急速に落ちてしまいます。
上記の内容を要約すると
①日向には保管しない。
②出来れは風雨を防げる場所に保管。難しいようなら袋などに入れて保管。
という事になります。
ここまでの説明で、なんとなく、スタッドレスタイヤは
ヨコハマタイヤもしくはブリジストンタイヤが良いんだなぁという感じになっていただけましたでしょうか?
さてここからは
ヨコハマタイヤが良いか?
ブリヂストンタイヤが良いか?
と言う前に、
スタッドレスタイヤの中でも
ブリジストンタイヤも
ヨコハマタイヤもグレードがあるのはご存知でしょうか?
ヨコハマタイヤなら「アイスガード」
ブリヂストンタイヤなら「ブリザック」
とスタッドレスタイヤの商品名は決まっていますが
その販売開始の時期により、性能が大きく変わるのです。
もちろん新品時の氷上性能も変われば、年数による劣化も最新のものなら最新なほど
たくさんの開発期間を経ていますから良くなっています。
ここでザックリと説明します。
現在、各お店の店頭で主に販売されているスタッドレスタイヤのグレードは
だいたい2世代前ぐらいまでのスタッドレスタイヤが販売されています。
上の図も参考にしてくださいね。
簡単に説明するとグレードは
2世代前 ヨコハマ アイスガード5 IG5 ブリジストン REVO GZ
1世代前 ヨコハマ アイスガード5プラス IG5+ ブリジストン VRX
最新型 ヨコハマ アイスガード6 IG6 ブリジストン VRX2
となっています。
ですから、一番性能が良いスタッドレスタイヤというと、
アイスガード6 or VRX2
ということになりますね。
ではいよいよその2つの国産スタッドレスタイヤ2メーカーの最新グレードの頂上対決。
どちらに軍配が上がるのか?
検証してみましょう。
タイヤの氷上性能は各メーカーが氷上試験をしています。
通常は、様々な車で様々な場所で行っているので、なかなか各メーカーのスタッドレスタイヤの
正確な比較は難しいものです。
アイスガード6とVRX2の氷上性能比較もそういう意味では非常に難しいと思います。
ですが
下記のカタログリンク
よりカタログを良く読み込んだ結果
ヨコハマタイヤ アイスガード スタッドレスタイヤ カタログリンク はこちら
ブリヂストンタイヤ スタッドレス ブリザック カタログリンク はこちら
上記のそれぞれのスタッドレスタイヤのカタログを良く読むと
カタログの後ろの方に細かな字でスタッドレスタイヤの氷上テストの結果が載っています。
そのテスト結果を上の図で、重要な部分を並べ直して、拡大して表示してみました。
どうでしょうか?
それぞれの1世代前、2世代前の
ヨコハマのIG5、IG5+
と
ブリジストンのREVO GZ、VRX
の氷上テストでは、
なんと
同じ場所、同じ車両、同じタイヤサイズで氷上テスト
をしているんです!
このテストは、スケートリンクの上で
時速20kmでブレーキを踏んで何メートルで止まれるか?
というテストをしているんですが、
2世代前
ヨコハマ アイスガード5 IG5 14.1m
ブリジストン REVO GZ 16.42m
1世代前
ヨコハマ アイスガード5プラス IG5+ 13.0m
ブリジストン VRX 14.70m
という結果になり。
ヨコハマのIG5+とブリジストンのVRXの性能では
氷上で
1.7mの違いが出てくる事が分かりますね。
1.7m大した事ない?
170cmといえば大人一人が横になったぐらい違います。
さらにいえば、これは時速20kmでのテストでの距離の違いです。
時速が上がれば上がる程、この差は大きくなる事を考えると
時速50km以上出ている場合では
10m
近くの制動距離の差が出てくるかと思います。
では、最新型の
アイスガード6とVRX2の氷上性能はどうでしょう?
カタログにはそれぞれ1世代前から氷上性能がどれだけUPしたのかが記載されています。
ブリヂストンタイヤ
VRX→VRX2 10%性能UP
ヨコハマタイヤ
アイスガード
アイスガード5プラス→アイスガード6 15%性能UP
と表示がされています。
単純な計算にはなってしまいますが
1世代前
ヨコハマ アイスガード5プラス IG5+ 13.0m の15%で 1.95m の制動距離短縮
ブリジストン VRX 14.70mの10%で 1.47m の制動距離短縮
となりますから
アイスガード6 11.05m
VRX2 13.23m
ということになるかと思います。
あくまでメーカーのカタログに載っている情報からの計算となりますが
氷上性能という点で考えると現時点でのスタッドレス性能としては
アイスガード6に軍配が上がります。
氷上での時速20kmでの制動距離の差は
2.18m
となります。
繰り返しになりますが
数学的な小難しい話になってしまいますが
この制動距離っていうのが曲者で
「制動距離 = 制動前の車速(km/h)の2乗÷(254 × 摩擦係数)」
という計算式で表せるんですね。
何を言っているか分かりづらいのですが
氷の上での制動距離は
スピードが20kmから40kmになったら
2.18m×2=4.36mでは無い!
という事です。
20×20=400 40×40=1600
となるように
計算式で考えると
スピードが上がれば上がるほど
この2.18mの違いが20m30mの大きな違いになってくる
ということだけご確認ください。
ここでスタッドレスタイヤを最終的に考える際に
氷上性能だけで考えて良いのか?
経年変化による効きの持続で考えていいのか?
という問題が出てきます。
どのスタッドレスタイヤが一番売れているの?
金額はどうなの?
そんなに良いのはいらないんじゃない?
一世代前のスタッドレスでも私の用途では十分なんじゃない?
氷上での性能は分かった、でも普通の路面ではどうなの?音はうるさくない?どっちが静か?
そんな疑問も出てきます。
たとえば静音性
普通の路面を走って静かなのはどっち?
この疑問にも、カタログを読み込むと195/65R15の同じタイヤサイズで両メーカーがテストしています。
大きな違いはテスト時のスピード
ヨコハマは40km/h ブリジストンは60km/h
テスト結果は
ヨコハマ
アイスガード5プラス 57.1dB
アイスガード6 55.3dB
ブリジストン
VRX 58.6dB
VRX2 57.0dB
と
速度が
テスト時のスピードが20kmも違う
にも関わらすほとんど同じ走行音量になっています。
ということは
静音性に優れているのはブリジストン
ということになります。
我々が営業している茨城県古河市では、スタッドレスタイヤの装着も11月になってからと、日本の積雪地域としても最南端に近い場所かと思います。
そんな地域でスタッドレスタイヤを考える時に、もちろん氷上性能が良いのが一番なんだろうけど、価格や、乾いた路面で静かな方が良いとか、お客様の使用の用途によって選ばれる際に何に重きをおくのがも変わってきますよね。
ですから、我々は
お客様の用途・要望をを良く聞いて、数あるスタッドレスタイヤの中からよりお客様のカーライフに適したスタッドレスタイヤをよりお求め易い金額で提供していきたいと思っております。
お気軽に店頭にてご相談ください。
まとめです。
当然なのですが最新型は1世代前のスタッドレスタイヤより購入金額も高くなります。
それでは1世代前のグレードで良いかな?と思っても
ご自身の乗っているお車のタイヤサイズに合う在庫が無い場合もあります。
しかしそこは、北海道で50%近いシェアを持っているブリヂストンタイヤは販売店も多い分
タイヤの在庫量も多いですし、1世代前のVRXもしっかりと殆どのサイズの在庫があります。
ですから、
最後のまとめになりますが、
寒冷地や積雪地の多い地域で走る。
早朝や深夜など路面が凍る状態で走る。
そんな機会が多い方は一番性能が良い
氷上性能NO1のヨコハマのアイスガード6をおすすめ
します。
また、コストパフォーマンスを考えて
そこそこの性能で、効きが持続して、価格もお得なグレードが良い
コストパフォーマンスが最高なスタッドレスタイヤは
コスパNO1のブリジストンのVRXをおすすめ
します。
最後になりましたが
毎年、10月初旬から北海道地区より冬タイヤの販売が始まります。
スタッドレスタイヤを装着する地域として最南端に近い古河市に雪が降る予報が出る頃には、
日本国内での販売予定量の9割が販売終了となり、
例年在庫が不足になります。
冬が始まる前ではというと冬タイヤを考えるには早すぎる
と思われるかもしれませんが、様々なメーカーやグレードから選べる
今の時期に、
お早めの冬タイヤのご購入をお薦めします。